北キプロス・トルコ共和国という国をご存じですか?

これまで58ヵ国旅をしてきましたが、北キプロス・トルコ共和国などという国名を聞いたことがありませんでした。

 

それもそのはず、北キプロス・トルコ共和国という名前が示すとおり、国連加盟国193ヵ国のうち192ヵ国が非承認、つまりトルコ以外の国は北キプロスを国家として承認していないのです。

 

まずは、この“国”がどこにあるのか、確認してみましょう。

 

 

東地中海に浮かぶキプロス島の北側3分の1程度を占めるところにあります。

2018年より日本政府は南側のキプロス共和国に日本国大使館をおいていますが(それまでは、ギリシャが業務を兼轄)、そのホームページで北キプロスについて次のように述べています:

 

日本政府は「北キプロス・トルコ共和国」の独立を承認しておらず,ニコシアの在キプロス日本国大使館は、同地域で活動することは困難な状況ですので、「北キプロス」への入域及び滞在に関しては十分ご注意下さい。

 

こう聞いてしまうと、ひるんでしまう方もいらっしゃるでしょう。

 

実際に北キプロスとキプロス共和国の間には長い紛争の歴史があり、現在も国連によって設けられた緩衝地帯(通称:グリーンライン)がキプロス島を分断しています。

緩衝地帯(グリーンライン)

 

 

北側が北キプロス・トルコ共和国でトルコ系の住民が暮らします。

トルコ語が話され、通貨はトルコリラです。

 

一方南側のキプロス共和国はEU加盟国でギリシャ系の住民が暮らしています。

ギリシャ語が話され、通貨はユーロです。

 

しかし、この2国間は自由に往来できます!(※検問所を通る必要があります!)

 

グリーンラインによって分断されていますが、キプロス島内に4ヵ所の検問所があり、そこを通過することによって、相手国へ行くことができるのです。

旅行者にとって一番わかりやすいのは、首都ニコシアにある「レドラス通りの検問所」です。

レドラス通りの検問所

城壁に囲まれた旧市街にあるレドラス通りを北上していくと、突き当たります。

この検問所を越えて行った先が北キプロス側のニコシア(トルコ語でレフコシャ)です。

街の様子がガラリと変わりますよ。

住んでいる民族が違えば話される言語も通貨も違うのですから、当たり前と言えば当たり前ですね。

 

私は2週間で両国を旅し、個人的には北キプロスのほうが気に入りました。

 

季節が冬(2019年12月~2020年1月)だったこともあり、あきらかに観光客とわかる外国人観光客を見かけることはほとんどありませんでした。

美しい自然を見られるのは北キプロスです。

 

北キプロス:カーパス半島

4月に訪れるとウミガメの産卵を見られます

ゴールデンサンズビーチはウミガメの生息地

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、広く英語が通じ、交通網やお土産が充実しているのは南(キプロス共和国)です。

キプロス共和国:パフォス遺跡

イエスが復活させた聖人ラザロの遺品を保管する聖ラザロ教会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

好みが別れるところだと思います。

 

今日は、北キプロスを旅するほどの時間はないけれど、少しだけ覗いてみたいという方に、検問所からすぐのところにある、お勧めの施設をご紹介したいと思います。

 

美しすぎる商業施設ビュックハン

商業施設と聞いて興味が半減してしまいましたか?

それとも、逆に興味がわきましたか?

美しすぎる商業施設ビュックハン

ビュックハンはBüyük Hanと綴るのですが、これはGreat Inn(大きな宿)という意味です。

 

実はこの建物は、もともとはキャラバンサライ(隊商宿)だったのです。

 

1572年に時の総督ムスタファ・パシャの命によって建てられました。

ビュックハン:2階へ上がります

 

かつて客室として使われた68の部屋には、現在商店や工房、カフェ、レストランなどが入っています。

 

施設の内側の68部屋のほかに、10店舗が建物の外へ向けて店を構えていますよ。

ビュックハン2階

朝キプロス共和国側のニコシアを出て、ここでランチをとって、買い物を楽しんで2,3時間後に南に戻るというプランも可能です。

 

いかがでしたか?

まだまだお勧めスポットがたくさんあります!

 

北キプロスは現時点では観光客も少なく、穴場と言える行先です。

ちなみに、物価も比較的安いですよ(^_-)-☆

 

 

 

 

 

 

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