LCCの航空機システムについて知ろう!
少しばかりマニアックな質問になりますが、
皆さんは、LCC(Low Cost Carrier=格安航空会社)で使用されている航空機の種類をご存じでしょうか?
日頃から出張や旅行で飛行機を利用されている方は、もしかするとご存知かも知れませんね。
LCCは破格とも言える安い航空券の提供で、飛行機を利用されるお客様の層を広げたと共に、飛行機を身近に感じることができるようになったお陰で、今後も更なる利用者の増加が見込めるLCCとなるのではないでしょうか。
そんなLCCをもっと知りたい、もっと楽しみたいと思っている皆さまに、LCCで使用されている航空機についてご紹介したいと思います。
知っていると航空機博士になった気分で、次回、飛行機を利用する際に、今までとは全く違う視点で飛行機が楽しめるようになります。
1.LCCで使用されている航空機の型式
国内のLCCでは、ピーチ、ジェットスタージャパン、バニラエアがエアバス社のA320-200型を、
春秋航空日本がボーイング社のB737-800型を使用して運航しています。
どちらの航空機も、多くの航空会社で使用されており、中型旅客機として活躍しています。
そんな活躍が目覚ましい中型旅客機に興味をもって楽しんでもらうためにも、機体の構造から特徴について触れていきます。
2.機体の基本構造
航空機の基本的な構造としては以下の通りです。
①主翼
主翼は、胴体の両側に付いている翼で、飛行機が空を飛ぶために必要な翼を押し上げる力=揚力を発生させます。
そして、主翼には、揚力を増すためのフラップ(高揚力装置)と機体の左右の操縦を行うエルロン(補助翼)が付いています。
②スタビライザー
スタビライザーとは、航空機の胴体後方の両側に付いている水平尾翼と、航空機後方で垂直に付いている垂直尾翼のことを言います。
水平尾翼には、航空機の上下の操作を行うエレベーターが、垂直尾翼には、横方向の操作を行うラダーが付いています。
いずれも飛行機の安定を保つために操作します。
③胴体
操縦室、客室や貨物スペースを含む部分を言います。
④エンジン
両側の主翼下面に1発ずつの、計2発のエンジンが付いており、エンジンは、空気を噴出する反動で前に進む力=推力を発生させます。
⑤着陸装置
飛行機が着陸する時のタイヤを含めた脚部(主翼の付け根に付けられている脚)と前脚(機首に付けられている脚)のことで、ランディングギヤと呼ばれています。
飛行中は機体の中に格納されています。着陸装置は、着陸前に油圧によって下げられます。
簡単に纏めると、飛行機が離陸する為に、飛行中の機体姿勢をコントロールする為に、そして飛行機が着陸する為に最も重要な装置がこれらの装置なのです。
飛行中に、主翼付近の窓側席からフラップやエルロンの可動を見る事ができますので、搭乗の際は、是非一度見て下さい。
3.エアバスA320-200型
国内LCCの多くが使用しているA320-200型の特徴として、従来機の操縦装置は、操縦桿からケーブル等を介して、動力装置を作動させる仕組みでしたが、
A320-200型は、電気信号を送って動力装置を作動させる「フライバイワイヤ」と言うものを使用しているのが特徴的です。
フライバイワイヤは、従来のケーブルからワイヤーに代わっている為、航空機重量の軽量化が図られていて、その他の利点もあるのです。
また、コックピットの操縦桿は、従来型の操縦桿ではなく、昔のテレビゲームで使われていたような、
スティック型のサイドスティックと呼ばれる操縦桿で、片手で操縦することが特徴的です。
4.ボーイングB737-800型
航空機の故障が少ないことで知られているB737-800型機。
最新技術がふんだんに盛り込まれた航空機で、737NG(NEXT GENERATION)と呼ばれています。
特徴は、両翼端に「ウイングレッド」と呼ばれる翼端を上に曲げた形になっていて、ウイングレッドの装備で、主に燃費の向上が図れています。
また、コックピット内の機長席側に、「ヘッドアップディスプレイ」が装備されています。
飛行高度やスピード等を確認する為には、機長が視線を下や横に向けて計器を見ていましたが、このヘッドアップディスプレイは頭上からディスプレイを目の前にセットして、ディスプレイ上で高度やスピード等が確認できる優れもの。
前を向いたまま確認ができるので、視線の移動が最小限ですむようになっているのが特徴的です。
5.LCCでA320とB737が使用される理由
LCCではなぜA320とB737の2機種が選択されるのだろうか。
それはズバリ! 運航コスト削減!!に尽きます。
言い換えれば、効率性を最大限に高めることなのです。
それではこの2機種の効率性について触れていきます。
①満席で飛行させやすい座席数の設置
この2機種は170席前後と、LCCの就航路線では、比較的満席にしやすい座席数を設置して搭乗率を維持させることによって、収益性の確保に繋げています。
②近距離路線に適している
LCCが就航している近距離路線には、航続距離を長く飛行できる大型機は、航空機の自重が重たい分、燃費などによる運航コストがかかり過ぎる為、軽量な小型機~中型機を使用しています。
また、航続距離からも、A320やB737は約5000Km~6000Kmと近距離に最適なのです。
③短時間での折り返しによる高稼働運航
LCCは短距離路線を短時間での折り返しで稼働させることによって、運航の効率化を高めています。
ちなみに、中型機であれば空港に駐機している時間は、満席で約30分~40分、
大型機になれば満席で45分~60分です。
駐機時間は、大きく分けて燃料給油、お客様の乗降、機内準備に左右されます。
従って、大型になればなるほど、燃料を搭載しますし、機内の掃除に時間がかかるので、駐機時間が長くなるのです。
6.まとめ
LCCは、格安の話題性から、運賃に焦点が集まりがちですが、航空機のシステムが少しでも分かるようになると、次に利用する時に、飛行機をまじまじと見ている自分がいるかも知れませんね。
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※本記事は現時点の情報にてご案内いたしております。
航空会社規定等は航空会社の判断により随時変動しておりますので
最新情報はお客様ご自身にてご確認頂けますよう
お願い申し上げます。予めご了承くださいませ。
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