意外と知らない運送約款の重要記載
みなさん、運送約款に目を通したことはありますか?
航空券を購入する際に必ず確認画面に出てくる運送約款ですが、
おそらくほとんどの人が目を通したことがないことでしょう。
ですが、意外と重要なことが書いてあるのです!
特にトラブルが発生した際に、航空会社の免責に関することなどが書いてあることが多く、
運送約款の記載を理由に、旅客の要望を断ることがよくあります。
ですので、これをよく読んでおかないと、
航空会社ってこんなに無責任なの?と思うことがあるかもしれません!
そこで今回はANAの運送約款を例にとって、
トラブル発生時によく旅客が不利になりやすい運送約款の記載について紹介をしていきます。
国際線利用時には特に注意が必要です!
1.航空券は順序通りに!
たとえば、成田→ロサンゼルス→ニューヨーク→ロサンゼルス→成田
という旅程の国際線航空券を購入したとしましょう。
そしてロサンゼルスに行った後に予定を変更してニューヨークに行くのをやめたとします。
そうすると、ニューヨーク以降の”ロサンゼルス→成田”の区間の航空券は無効となってしまうのです!
お金を払っているのになんで!?思うかもしれませんが、運送約款の第4条に以下の記載があります。
ANA公式サイト“国際運送約款”より引用:
https://www.ana.co.jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/index.html
そのため、お金を払っていたとしても、飛行機に搭乗することは一切認められなくなってしまうのです。
もし、ANAの欠航など特別な事由があって航空券を順序通りに使用できない場合は、例外対応となることもあります。
しかし、旅客事由でこのルールが守られなかった場合は、航空券は一切無効となってしまうのです!
2.復路放棄はリスクがある!!
復路放棄とは、往復航空券を購入して、復路分を利用しないということです。
片道航空券しか利用する予定がなくても、往復で購入したほうが安く済むため、
最初から利用しないつもりで往復航空券を購入する人は多くいます。
こういった場合、航空会社はいちいち復路を利用しなかった理由を追及すことはしませんが、
あまりに悪意が感じられる場合は、キャンセル料を請求されることがあります。
以下が、第8条 (予約)にある記載です。
ANA公式サイト“国際運送約款”より引用:
https://www.ana.co.jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/index.html
ですので、後から復路放棄が発覚しキャンセル料の支払いを求められた場合は、
航空会社の指示に従って支払いを済ます必要があります。
3.搭乗拒否をされることもある!!
航空券さえもっていれば安心!航空会社はサービス面で優れているし、
CAさんも優しいからすこしくらい羽目をを外しても大丈夫!と思ってはいませんか?
ですが、実際には航空会社は旅客のふるまいは厳しくチェックをしています。
そのふるまいに該当するものが、第10条 (運送の拒否及び制限)にある以下の記載です。
ANA公式サイト“国際運送約款”より引用:
https://www.ana.co.jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/index.html
安全面を最重要視しなければいけない航空会社では、機内で不審な行動をとったり、
乗務員の指示に従わない場合は降機させることができます。また、泥酔している旅客も搭乗拒否をされることがあります。
実際にANA国際線では、成田を出発後に乗務員の指示に従わなかった旅客を降機させるため、
成田空港に引き返した事例もありますし、
冗談で「爆弾を持っている」、といってしまった旅客を厳しく取り締まったこともあります。
このように、安全性を阻害する旅客に関しては航空会社は厳しい措置をとるので、
運送約款に記載のある不適切行為はしないようにしましょう。
4.ペットの死亡は免責!!
ANAをはじめ、多くの航空会社ではペットを預け手荷物として輸送することができます。
しかし、ペットが長時間過ごすであろう貨物室はいい環境とは言えずに、
おまけにケージの中で何時間も過ごすことなります。
そのため、ケージの中でペットが暴れまわって死傷をしてしまうという事例も実際にあるのです。
そういう場合は、
飼い主としては多大なショックを受けるため損害賠償を求めたいところではありますが、
第11条 (手荷物)では以下のように述べられています。
ANA公式サイト“国際運送約款”より引用:
https://www.ana.co.jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/index.html
そのため、ペットの輸送はすべて旅客の責任の下行われ、
何かがあった際にもは旅客は航空会社に一切に責任の追及をすることができないのです。
5.遅延の責任は取らない!!
おそらく、これが1番トラブルになりやすいのではないでしょうか?
飛行機を利用する際に遅延はよくあることです。
そして、遅延をしてしまうと、次の便に乗り遅れたり、大事な会議に間に合わなかったりなど、
様々な弊害が生じることもあるでしょう。
そんな時に、スケジュール通りに運行しなかった航空会社を責めたくなる気持ちは誰にでもあると思います。
しかし、第12条 (航空便のスケジュール、延着及び取消)にて、スケジュールは予定であって、
保証されたものではないと、しっかりと記載があるのです。
ANA公式サイト“国際運送約款”より引用:
https://www.ana.co.jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/index.html
航空会社の責任とは、旅客を目的地まで輸送することであり、時間を守ることは必須ではありません。
そのため、遅延して到着が翌日になったとしても、目的地まで旅客を輸送している限り、
航空会社としての責任は果たしていることになるのです。
6.他の旅客の手荷物へ損害を与えた場合は賠償が必要!!
まれに、旅客が預けた手荷物の中のワインの瓶が割れて、他の旅客の荷物まで汚れてしまう、
といった事象が発生します。
その際、被害を被った旅客は航空会社に賠償を求めることでしょう。
この場合は、損害の原因となった手荷物の所有者である旅客は、
航空会社に対して、航空会社が受けた損失について賠償をしなければいけません。
その記載があるのが、以下の第18条 (運送人の責任)、(B) (責任の限度)です。
ANA公式サイト“国際運送約款”より引用:
https://www.ana.co.jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/index.html
つまり、運送上のトラブルであっても、自分の手荷物に起因するものであれば、責任を取らなければいけないということです。
7.間接損害は旅客の責任!!
たとえば、旅客が仕事で使う大事な書類をしまったスーツケースが、
航空会社のミスで空港に到着しなかったとします。
それにより、旅客が仕事でプレゼンを行うことができなくなり、案件が消滅してしまったとしましょう。
この場合は、荷物が届かなかったのは航空会社のミスですので、
旅客が仕事で被った損害は航空会社の責任のように思えます。
しかし、この場合、手荷物と仕事は間接的であるため、航空会社に一切の責任はないのです。
これは、上に同じく第18条 (運送人の責任)、(B) (責任の限度)にしっかりと記載されています。
ANA公式サイト“国際運送約款”より引用:
https://www.ana.co.jp/siteinfo/international/conditions-of-carriage/index.html
そのため、預けた荷物や飛行機の遅延によって、それに付随する損害を受けたとしても、
すべて間接損害として扱われ、航空会社に責任を問うことはできないのです。
いかがでしたでしょうか?
このように運送約款には航空会社を守る条項が多く含まれているのです。
そのため、単に損害を受けたからといって、すべての責任を航空会社に問うことはできないのです。
ですので、飛行機の遅延や手荷物トラブルがあっても、
大きな損害につながらないように自身で気を付ける必要がありますし、
航空会社が定めるルールに従った上て、利用しなければいけないのです。
ぜひ時間があるときに運送約款にじっくりと目を通し、
どの程度航空会社は保証をしてくれるのか、というもの調べてみるといいですね!
今回ご紹介した事例はとかく海外旅行の際に多いトラブルですので、
国際線利用時はお気を付け下さい!
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※本記事は現時点の情報にてご案内いたしております。
航空会社規定等は航空会社の判断により随時変動しておりますので
最新情報はお客様ご自身にてご確認頂けますよう
お願い申し上げます。予めご了承くださいませ。
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