搭乗便変更〜満席による座席不足ってどういうこと!?

 

空港で搭乗手続きをしていると、たまに“本日は満席が予想されるので、後続便に振り替えてくださる方はお声がけください”などとアナウンスされることがあります。

 

 

そして、後続便にずらすと、現金で1万円ほどもらえたり、1万マイルのマイレージがもらえたり、さまざまな形で謝礼が支払われるのです。

しかし、不思議に思ったことはありませんか?普通に考えれば、座席が足りなくなる…なんてことはないはずです。飛行機が180席だったら、180名の予約しか受けない…というのが一般的な考え方だと思います。

 

 

 

満席の理由は予約受付の方法にあった!?

 

実のところ、航空会社は座席数より多くの予約を受けているのです。飛行機が180席なら、1割ほどオーバーして198名程度。つまり、18名くらいは余分に予約を受け付けています。

なぜ、このような予約受付をしているのでしょうか?理由は簡単で、予約していても、1割ちょっとのお客さんは乗らないからです。

 

 

旅行、帰省、仕事…など、飛行機に乗る理由はさまざまだと思います。しかし、いずれの場合も、何らかの事情で予定どおりに出発できなくなることがあるはずです。ちょっと考えただけで、次のような理由が思い浮かびます。

 

 

・一緒に旅行に行く予定だった恋人と破局

・親族の不幸で予定が変わった

・急な体調不良で旅行に行けなくなった

・仕事上の問題で出張が中止

・寝坊や電車の遅れで出発時間までに空港に着かない

 

 

 

そう、予定していた飛行機に乗れない…という状況は充分にあり得るのです。実際、予約客の1割くらいは搭乗〆切時刻を過ぎても空港には現れません。つまり、乗らないわけです。

 

もし、180席の航空機で180名の予約しか受け付けていないと、どうなるか考えてみてください。

約1割にあたる18名が乗らないわけですから、予約が満杯の航空便でも、平均162名を乗せて離陸することになります。つまり、18席が無駄になるのです。

 

 

航空会社からしてみれば、これは大きな損失になります。次の数式を確認してみてください。いずれも180席の航空機を用いた航空便とします。

 

 

・ケース1

180名の予約を受けた結果、実際に搭乗したのは162名。航空券代金は1名あたり2万円。

162×2万=324万円

 

 

 

・ケース2

198名の予約を受けた結果、実際に搭乗したのは179名。航空券代金は1名あたり2万円。

179×2万=358万円

 

 

そう、席数と同じだけの予約を受ける形式にすると、航空会社は大損です。

今回の2つのケースを比較すると、航空会社に入る額面には34万円の差が出ることになります。航空会社は利益を確保するために、実際の席数より多くの予約を受け付けているのです。

 

 

 

得をするのは航空会社だけじゃない!

 

とはいえ、座席数以上の予約を受けることで得をしているのは、航空会社だけではありません。実は、搭乗客も得をしています。

先ほどの2つの例では航空券代金をいずれも平均2万円と計算しましたが、今後はこんなふうに計算してみましょう。

 

 

・ケース3

198名の予約を受けた結果、実際に搭乗したのは179名。航空券代金は1名あたり1万9,000円。

179×1万9,000=340万1,000円

 

 

座席数と同じ180名の予約しか受けなかったケース1では、航空会社が受け取る金額が324万円でした。

それに比べて、ケース3は340万1,000円。航空券代金を1,000円安くしても、利益は大きくなりました。

 

つまり、座席数より多くの予約を受ければ、その分、航空券代金を安くできるのです。この方法で、航空会社は航空券代金をリーズナブルにする…という企業努力をしてきました。

私たちがリーズナブルな金額で飛行機に乗れるのは、たくさんの予約を受ける…という一見、不合理な方法のおかげだったのです。

 

 

 

ときどきは計算違いも…!オーバーブッキングの発生

 

ただ、180席の航空機なのに198名の予約を受けていたら、当然、180名を超える搭乗客が空港にやってくる可能性もあります。これをオーバーブッキングと呼びます。

平均すれば1割くらいの客が飛行機に乗らないとはいえ、それはあくまで平均的なケースでの話です。物事がいつでも計算どおりになるとは限りません。

 

 

では、198名の予約を受けた結果、182名の客が現れたら、どうするのでしょうか?

そう、搭乗便を振り替えてくれるお客さんを募り、名乗り出たお客さんに謝礼を渡すわけです。

 

 

“本日は満席が予想されるので…”というアナウンスには、こういった裏事情が絡んでいたわけですね。

ちなみに、航空会社からの申し出を受けて搭乗便を振り替える客を探す制度のことを、フレックストラベラー制度と呼んでいます。

 

振替便が翌日になる場合などは宿泊費+2万円といった破格の謝礼が出ることもあるので、スケジュールに余裕があれば、ぜひ、名乗り出てみてください!

思わぬ棚ぼたが得られるかも??

 

 

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※本記事は現時点の情報にてご案内いたしております。
航空会社規定等は航空会社の判断により随時変動しておりますので
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