エアアジアは東南アジアを旅行するには最適なLCC(格安航空会社)です。
どこよりも安い運賃で手軽に旅行できるからです。
しかし、LCC(格安航空会社)航空券の料金自体は非常に安いのですが、エアアジアではあらゆるところで手数料を請求されます。航空券の料金よりも手数料の方が高いことがあるくらいです。
ところが、エアアジアでは他の航空会社では一般的な「一律の手数料」といったものは用意されておらず、路線に応じて自分で手数料を検索しなければなりません。
それに加えて手数料に関する説明が不十分で分かりづらく、どんなときにどの手数料が必要なのか、はっきりとは記載されていません。
そこで、今回はLCC(格安航空会券)エアアジアの手数料について、詳しく見ていきましょう!
まず、手数料の検索は公式ホームページの「料金および手数料」ページ(http://www.airasia.com/jp/ja/our-fares/fees-and-charges.page)で簡単に行えます。
必要な路線を入力して、フライトの手数料を検索しましょう。
今回の例では「羽田=クアラルンプール」路線をモデルにしています。次のような画面が表示されますが、すべて英語表記なので分かりづらい点があるかもしれません。そこで、英字の横に青色の文字で日本語訳を付けてあります。
基本的な手数料の詳細
ここでは基本的な取扱手数料や座席の指定料金が記載されています。
①Handling Fee
この項目は「取扱手数料」になります。すべて片道分の料金になりますので、往復で予約する場合は表示されている金額の倍額が必要になります。取扱手数料には次の3つがあります。
(1)Refund (per guest per sector)
「払い戻し手数料」ですが、これは航空券の料金の払い戻しではないことに要注意です。エアアジアでは、どの運賃タイプで予約していても、キャンセル時の払い戻しはありません。
この項目はあくまで「空港税」の払い戻しだけを意味しています。航空券のキャンセルの必要が生じた場合は、公式ホームページ上のE-Form(https://eform.airasia.com/?lang=ja-jp)から空港税の払い戻し手続きを行えます。
ただし、払い戻される金額は、支払い済みの空港税から、この「払い戻し手数料」と”Cancellation (per guest per sector)”を差し引いた金額になりますので、路線によってはほとんど返金されないことがあります。
ちなみに“per guest per sector”は「片道1人分」を意味しますので、例えば2人で往復旅行する航空券をキャンセルする場合は、記載されている金額の4倍が手数料として必要になります。
(2)Processing Fee (credit, debit, charge cards)
支払方法でクレジットカード・デビットカード・チャージカードのいずれかを選択した場合、支払時にこの手数料を徴収されます。チャージカードは一括払い専用のクレジットカードのことなので、実質的にはクレジットカードと同じです。
これは最初の予約時のみが対象になるので、例えば後で運賃タイプをアップグレードする時などは、この手数料は請求されません。空港税の払い戻し時は返金額から上記の”Refund”が差し引かれることになります。
こちらも片道1人分の表示額となっているので、注意が必要です。
ちなみに、支払方法で「PayPal」を選択すると、この手数料は請求されなくなります。PayPalとは国際的なオンライン決済システムで、口座を開設してクレジット/デビットカードを登録すると、海外のオンラインショッピングでも簡単に決済できるようになります。相手にクレジットカード番号を知られることもないので、安全性も高いと言えます。
(3)Booking service fee
コールセンターや空港カウンターで予約した場合、この「予約手数料」が必要になります。公式ホームページ上で予約すると、この手数料は請求されないので安くなります。
②Cancellation (per guest per sector)
この項目は「キャンセル料」になります。エアアジアではどの運賃タイプでもキャンセル時の払い戻しは不可能ですが、空港税だけは払い戻し可能です。
ただし、最終的な払い戻し金額は、この「キャンセル料」と上記の「払い戻し手数料」が差し引かれたものになります。しかも記載されている金額は「片道1人分」ですので、往復でキャンセルする場合は倍額が差し引かれます。
つまり、LCC(格安航空会社)エアアジアではキャンセル時の返金は実質的にほとんどないと考えた方がよいでしょう。
③Flight Change (per guest per sector)
エアアジアではどの運賃タイプでも予約の変更が可能なのですが、運賃タイプによって手数料や条件に違いがあります。この項目はフライト変更時に必要な手数料を記載しています。変更手続きは「マイ・ブッキング」メニューから簡単に行えます。
「割安運賃」と「バリューパック」では予約の変更が有料であるため、変更時にこの手数料が必要となります。予約の変更が可能なのは出発時刻の48時間前までなので注意が必要です。それ以降の変更はいっさい出来ません。
「プレミアムフレックス」では、予約の変更は2回まで無料になります。それ以上の変更回数ではこちらに記載されている手数料が必要になります。この運賃では出発時刻の2時間前まで予約の変更が可能ですが、それ以降の変更はできません。
「プレミアムフラットベッド」運賃では、予約の変更が何度でも無料で出来ますが、この運賃でも変更可能なのは出発時刻の2時間前までとなり、それ以降は変更できません。
どの運賃タイプでも差額の支払いが必要で、変更先の運賃が安くなる場合でも、差額の返金は受けられません。また、変更可能なのはあくまで「日時の変更」のみです。出発地・到着地や搭乗者名の変更など、日時以外の変更はいっさい出来ないので注意が必要です。
④Service Fee
特別な搭乗者に請求されるサービス手数料です。生後24カ月未満の「乳幼児」がその対象となり、別途手数料が必要です。
ちなみに”Infant”という言葉はよく「幼児」と訳されることがありますが、それは大きな間違いです。正しくは「乳幼児」です。
⑤Wheelchair
車椅子が必要な搭乗者には別途手数料が必要になる路線がありますが、今回の「羽田=クアラルンプール」路線では無料となっています。
⑥Pick a seat
この項目は座席指定の手数料を記載しています。エコノミークラスでは3つの座席があり、座席の種類によって手数料が異なります。こちらは「静穏区間」ではない通常の座席指定の手数料です。
(1)Standard Seats
通常の座席です。一番安い「割引運賃」の場合は、座席の指定にこの手数料が必要です。「バリューパック」および「プレミアムフレックス」運賃では、無料でこの座席を指定できます。
(2)Hot Seats
優先的に搭乗できる便利な座席です。「割引運賃」および「バリューパック」では、この座席を指定する際に手数料が必要になります。「プレミアムフレックス運賃」では、無料でこの座席を指定できます。
⑦Quiet Zone
ビジネスクラスである「プレミアムフラットベッドシート」のすぐ後ろに設けられた、騒音等が最小限に抑えられた「静穏区間」です。落ち着いた雰囲気のある照明が備えられており、機内食がより早く提供されるなどの嬉しい特典もあります。
(1)Standard Seats
8列目から14列目までに配置された通常のクワイエットゾーン座席です。
(2)Hot Seats
7列目の座席のみ、「クワイエットゾーン」と「ホットシート」を兼ね備えた座席があります。この座席は足元も広くなっているので、エコノミークラスでは最も快適な座席になります。ただし、指定料金も高額になります。
「プレミアムフレックス運賃」では、無料でこれらの座席を指定できます。ただし、座席数に限りがあるため、早めの指定が必要です。「プレミアムフレックス運賃」でも座席を指定しなければデフォルトの「スタンダードシート」から自動的に割り当てられることになります。注意が必要ですね。
なお、この座席は12歳以下の子供は利用できません。静穏性を重視するためです。
以上が基本的な取扱手数料や座席の指定料金の詳細となります。これ以降の項目では、受託手荷物の手数料が記載されています。受託手荷物は申請方法によって手数料が大きく異なります。
受託手荷物に関する手数料の詳細
LCC(格安航空会社)エアアジアでは「予約時の申請」「予約後の申請」「空港カウンターで直接申請」の3つの方法で手数料を支払うことによって、受託手荷物を預けることができます。また、スポーツ用品には別の手数料が設けられており、通常料金よりも割安になっています。
⑧Checked Baggage (during initial booking)
この項目は初回予約の時点で受託手荷物を申請した場合の料金となります。初回予約とは、予約を決定する時点まで、と考えて差し支えありません。予約を決定した後の受託手荷物は、次の項目の手数料が必要となり、割高になります。
“up to”は日本語の「以下」に相当するので、”up to 20kg”は「20kg以下」となります。20.0kgは大丈夫ですが、20.1kgは超過ということになります。
最低重量は20kgなので、たとえ10kgの場合でも20kg分の料金を支払う必要があります。40kgを超える場合は、1kgごとに超過料金が必要ですので、非常に割高になってしまいます。
予約時にあらかじめ受託手荷物を申請しておくと、手数料が最も安くなります。予約後に受託手荷物を追加することもできますが、次の項目で記載されている手数料が必要になり、多少割高になります。
⑨Checked Baggage (after initial booking)
この項目は、予約後に公式ホームページ上の「マイ・ブッキングの管理」メニュー(https://member.airasia.com/login.aspx?location=mmb)から、受託手荷物を申請した場合の料金です。
こちらは予約時に申請した場合と比べて割高になりますが、当日空港で直接預け入れる場合よりは、遙かに安く済みます。先ほどと同様に最低重量は20kgで、40kgを超える場合は1kgごとに超過料金が必要です。
⑩Checked Baggage (Airport counter)
事前の予約をせずに、当日に空港カウンターで直接手荷物を預け入れる場合は、最も高額になります。しかも、最大重量が15kgになっている点に要注意です!
15kgを超える場合は超過手数料を請求されます。非常に割高になってしまうので、受託手荷物は必ず事前に申請しておくようにしましょう!
⑪Sports Equipment (Pre-book)
先述のとおり、指定されたスポーツ用品には特別な手数料が設けられているので、通常の受託手荷物より割安になります。適応されるスポーツ用品は次のとおりです。
サーフボード・スノーボード・自転車・スキューバ用品・ゴルフ・クリケット・スキー用品
その他のスポーツ用品には、通常の受託手荷物料金が適用されます。この項目は事前に予約していた場合の料金で、予約時でも予約後の追加でも同額になります。
⑫Sports Equipment (Airport counter)
当日に空港カウンターで申請した場合は、やはり高額な手数料が必要になります。最大重量が15kgですので、それを超える場合は通常の手荷物と同じく超過料金を請求されます。
非常に割高になってしまうので、こちらも必ず事前に予約しておくようにしましょう。
⑬Excess Baggage
これまでの項目で何度も触れましたが、事前に購入可能な受託手荷物の重量を上回ると、この超過料金を請求されてしまいます。これは、どの申請方法を取っていても、また通常の手荷物でもスポーツ用品でも同じ金額です。
また、事前に受託手荷物を申請していても、その重量を当日空港での計測時に超えていれば、やはり超過料金を請求されています。事前に手荷物の重量を測定して、余裕を見て申請しておきましょう!
体重計での計測はかなり難しくて誤差が出やすいので、「ラゲッジチェッカー」の使用をおすすめします。価格は2,000円程度で、簡単に重量が分かるのでとても便利です。
⑭Lost baggage
こちらは航空会社側が受託手荷物を紛失した場合に、乗客に賠償するときの限度額です。ただし、これは「エアアジア旅行保険(エアアジアトラベルプロテクション)」に加入していた場合に限られます。
それ以外の場合は手荷物を紛失されてもいっさい補償されません。そのため、エアアジアをご利用の際は、必ずその点を理解しておきましょう。
国内線では7日以上・国際線では14日以上経過すると受託手荷物は紛失したと見なされ、こちらのフォーム(https://eform.airasia.com/?lang=ja-jp)から必要事項を記入して送信すると、補償を受けられます。
しかし「エアアジア旅行保険」に加入している場合でも、この補償額は低すぎるので、とても充分な補償とは言えません。エアアジア側の対応も不備が多く、加入していても何らかの理由をつけられて補償を受けられないことも多々あります。
そこで「エアアジア旅行保険」ではなく、AIUなど大手保険会社の「航空機寄託手荷物遅延等費用補償」が付帯した旅行保険に加入することを、強くおすすめします。
エアアジアではデフォルトで旅行保険に加入する設定になっているので、こちらを選択する場合はwebチェックイン時に必ず確認して、旅行保険に加入しないように設定を変更しておきましょう。
以上がエアアジアの各種手数料の詳細となります。いかがでしたか?
エアアジアは運賃自体は非常に安いのですが、何かと手数料を請求されます。予約時に余分なオプションが自動的に有効化されていたり、公式ホームページの記載内容も分かりづらい点や誤解を招きやすい点が多かったり、エアアジアを利用する際は細かい点に充分に注意する必要があります。
しかし、そういった点をあらかじめよく理解しておけば、エアアジアはとても素晴らしい航空会社になります。運賃の安さこそが最大の魅力なのです!
あらかじめよく理解しておくことで、エアアジアでの旅行をより快適に楽しむことができますね!
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※本記事は現時点の情報にてご案内いたしております。
航空会社規定等は航空会社の判断により随時変動しておりますので
最新情報はお客様ご自身にてご確認頂けますよう
お願い申し上げます。予めご了承くださいませ。
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